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民藝のまち、松本。
松本城を中心とした城下町の趣を色濃く残すこのまちは、訪れるたびに感じるどこか懐かしい空気に、思わずただいま、と言ってしまう魅力を持っているように思います。
そんな松本で生まれ育ち、このまちが大好きだというご家族のためのお家を設計させていただきました。
敷地は中心市街地の喧騒からすっと抜けた閑静な住宅街の一角。
松本の街並みとの調和と家族のプライバシーを考え、大きな家型の一部をくり抜いた「コの字」のようなボリュームとすることで、そとからの視線や侵入は遮りつつも、まちに対しては大小様々な家型の立面を持ち、周辺の家並み馴染んだように思います。
正面のアールのスチール庇は錆止め塗装そのままの仕上げで、お家の表情にアクセントとして個性を出してくれています。
一方で「コの字」は、うちに対しては開いた建物形式となり、家族同士の存在を常に感じられる、明るい空間として設計しました。
日本の古道具が好きだというお施主様のために、インテリアには古道具の雰囲気に合うようなマテリアルを丁寧に選定しました。
玄関からは中庭を介して光溢れるリビングが垣間見え、家に帰ってきたときに家族の存在を自然と感じられます。
大きな窓を介して中庭と連続するダイニングは、庭の延長のようなラフさを感じられるよう、床をモルタル土間で仕上げ、造作キッチンの面材には積層ラワンを選び、「nook furniture」さんに製作していただきました。
一段上がったリビングは2層分の天井高を持つ開放的な空間で、2階の子供部屋とも区切りすぎず程よい関係性で家全体を結ぶ場所と位置づけています。
造作階段はキッチンと同じラワンで、置き家具のようにポンとそこにあるようにと設計し、大工さんとあれこれ相談しながら製作していただきました。手摺の色やアールの形状も相まって、このお家の個性を表す存在となってくれました。
ドアノブは「木工ヤマニ」さんでオーダーして槐(エンジュ)の木で製作していただいたもの。手触りがとても良く、用がなくても開け閉めしてしまいたくなるほど。
どこを切り取っても職人達の手仕事が光る、民藝のまちにふさわしい空間に仕上がりました。
段差に腰掛けたり、階段を本棚として使ったり、陽の当たる窓際で寝転がったり。
大きくないお家だからこそ、家のいたるところを居場所として自由に使えるように工夫をしています。
小さな風景が散りばめられた松本のまちで暮らすための、小さな小さな愛らしい風景がたくさん詰め込まれたお家です。
| 場所 | 長野県松本市 |
|---|---|
| 用途 | 個人住宅 |
| 竣工 | 2025年12月 |
| 構造 | 木造 |
| 種別 | 新築 |
| 敷地面積 | 198.36 m² |
| 建築面積 | 59.83 m² |
| 延床面積 | 75.35 m² |
| 建築性能 | Q値:1.02W/㎡・K UA値:0.17W/㎡・K |
| 仕様 | 屋根断熱材:ロックウールt=300mm 壁断熱材:ロックウールt=200mm+グラスウールt=105mm 基礎断熱材:EPSt=100mm 換気設備:セントラル式熱交換換気システム、同時給排型レンジフード 冷暖房設備:除湿型放射冷暖房パネルヒーター |