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Juuri Passive House Report vol.3

2025.03.25

Juuri Passive House Report vol.3

こんにちは◎
Juuri のよしみです。
前回に引き続き、今わたし達が力を入れているパッシブハウスの魅力をご紹介します!

 さて、前回、おおまかなパッシブハウスの設計のやり方をご紹介しました。
今回は、パッシブハウスの厳しい設計条件をクリアして、絶賛工事の佐久穂のお家を例に、パッシブハウスで設計したお家ってデザイン的なとこはどうなの?ってところをご紹介できればと思います。

先に、結論から申し上げますと、基本的にはどんなデザインでもパッシブハウス認定を取得することは可能です!
もちろん、認定を取得しやすい建物形状、やりにくい形状はあります。また、高断熱ありきにはなってしまうので、「めちゃめちゃ外壁が薄いデザインにしたい!」とかは難しいです。しかし、間取りは自由ですし、平屋でも3階建でも、ロフト付でも、洋風でも和風でも、板張りでも漆喰仕上げでも、一般的な住宅で求められる要望に関しては、パッシブハウスだからといって何か制限されるようなことはないのです!

そのため、これからご紹介するお家が、一般的なお家と比べてすごく特殊!と、いうわけではないのですが、前回、お話ししたパッシブハウスの特徴でもある「自然の力を利用する」という部分をデザイン的にも活かしているところが面白いところかなとも思います。

 では早速、こちらが佐久穂のお家の模型です。


ご夫婦とお子さん二人の4人家族がお住まいになる25坪の平屋です。以前、お住まいだったお家の経験から、今回のお家は必要最低限の大きさにしたいというご要望でしたので、居住空間は可能な限りコンパクトなつくりになりました。
そして、この建物最大の特徴が、お家の真ん中あたりでわずかに建物がへの字に折れ曲がっているところです。

 
 こちらの土地は、南西から北東にかけて細長い形をしておりまして、そのまま土地なりに建物をつくると微妙にお家が南東側に向いてしまいます。しかし、寒冷地のパッシブハウスでは冬場に南側からの日射を最大限取り込んでお部屋を温めてあげたいので、お家の配置は可能な限り真南に向けてあげたいところです。。が、そのまま、お家全体を真南に向けるとお家が土地を斜めに横断するかたちとなり、外に無駄なスペースがたくさんできてしまう。。それを解決するため、お家の半分は土地なりに、もう半分はへの字に曲げて真南に向けることで、日射を可能な限り取り込みながら、土地のスペースも無駄にしないように計画しています。
また、そのへの字の建物形状がシンプルな外観に少しアクセントとなるようなデザインとしました。
さらに、への字の建物形状はお家の中でも活かされています。


への字に曲がったお家中心部のLDKには扇状のわずかなスペースがうまれ、これにより、リビングを必要以上に広げることなく、横に並ぶダイニングキッチンをしっかりと通路幅が確保されたゆったりとした空間にしてくれます。なんと、このへの字がお客様のご希望である必要最低限のお家づくりにも一役買ってくれているのです!


こちらはこのお家の断面図です。
玄関から入ってLDKを抜け、折れ曲がった先の奥の方は寝室や浴室などプラーベートなお部屋がまとまっているエリアとなっております。そのエリアがLDKから50cm程度床が下がっているのがおわかりでしょうか?

主寝室、子供部屋にそれぞれ南側に設けた窓は、日射をより多く取り入れるために、床までめいいっぱいの大きな窓を設けたいところではありますが、そうしてしまうと、ベッドの側面や、ベッド下が外から丸見えになってしまいます。それだと見た目が良くありません。
そこで、窓が設置できる限度である土台上よりも50cm程度、寝室の床を下げることで、ちょうどベッドの上からが窓になるようにしております。
さらに、この窓の日射を確保するためにうまれたLDKと寝室エリアの高低差を活かして、子供部屋の上にはお子さまの成長にあわせて二つ目の子供部屋としてもつかえるロフトを設けております。また、寝室などのプライベートなエリアが一段下がっていることで、LDKなどのセミパブリックな空間とプライベートの空間を体感的にも区分けすることができ、より安らげる寝室となっているのです!

 他にも、パッシブハウスの仕様を活かした細々とした工夫はありますが、前述で説明した、”方角と窓” をどう工夫するか、そのあたりがパッシブハウスの視覚的なデザインに影響する部分かと思います。

意外にささやかですよね?

 今回ご紹介した佐久穂のお家のデザインはあくまで一例で、他の設計士さんも様々な工夫でパッシブハウスの適合条件をクリアしつつ、素敵なデザインのお家をつくっております。

私自身、今回はじめてパッシブハウスの設計にチャレンジしましたが、パッシブハウスだからといって、何かデザイン的に制限されるようなことは感じませんでした。むしろ、パッシブハウスの「自然の力を利用する」という部分で新たな発想がうまれ、より自由な設計できた気がします!

ということで、冒頭でもお伝えしたとおり、パッシブハウスを取得するのにデザイン性を犠牲にすることはほぼありません!高性能でデザイン性も高い!それがパッシブハウスなのです。

それでは、次回からは工事編に突入!
引き続き、お楽しみいただければと思います。

。。。つづく


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