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Juuri Passive House Report vol.1

2025.02.21

Juuri Passive House Report vol.1

こんにちは◎
Juuriのよしみです。

 2024年に新しい社名に変わりまして、Juuriという名前もだんだんと皆様にも浸透していき嬉しいかぎりです。

 社名変更してからも変わらずこの一年、わたしたちはデンマークのお家づくりにならった高気密高断熱の住宅を提案し続けておりますが、そんなわたしたちが今とくに力をいれているのが「PASSIVE HOUSE」です。

 お家の断熱、省エネに興味のある方なら、一度は聞いたことがあるであろうこのパッシブハウス。実は、わたしたちも長年ひっそりとこのパッシブハウスの設計に取り組んでおりまして、昨年、Juuri初のパッシブハウス認定物件の申請にこぎつけました。さらに、現在も二件の申請予定の物件が進行中!!
せっかくなので、より多くの方に「パッシブハウス建てたい!」って、気持ちになってもらいたいということで、この場を借りて、工事の様子や、設計の考え方を定期的に発信していこうと思います。

 実はこのパッシブハウスって、知れば知るほどおもしろくて、わたしも2022年にお家建てちゃったんですが、今すでに「パッシブハウス建てたい!」って気持ちでいっぱいです。。そんな魅力を少しでも感じていただけたら幸いです。
あと、この場ではあまり専門的な話になりすぎないよう、ライトにパッシブハウスの魅力を知ってもらいたいので、その手の専門家がみれば「おい!」って、つっこみたくなるところも多々あるとは思いますが、そこはあたたかい目で見守っていただければと思います。

それでは、今回はそもそもパッシブハウスってなに??ってところからお話しできればと思います。



[パッシブハウスとは?]

 のっけから難しい話になってしまうのですが、パッシブハウスとは、断熱や高性能な窓、熱ロスの少ない換気システムなどを駆使して、世界で最も厳しい性能認定基準を満たした家のことです。
ドイツで生まれたこの認定基準は、環境先進国であるドイツの国の省エネルギー基準を大きく上回り続けています。要は、世界でトップクラスに省エネルギー性能の高い住宅を作るための認定基準ってことですね。

 そもそも、お家のエネルギーってなんなの?ってところですが、お家で普段生活する上で、主に冷房、暖房、お風呂などのお湯を沸かす給湯などの熱にまつわる機械にたくさんのエネルギーをつかっています。そのエネルギー源は電気だったり、ガス、薪、灯油など様々です。
つまり、お家の省エネルギー性能を高めるということは、この冷暖房と給湯のエネルギーをなるべく使わないようにしながら、なおかつ 、”快適に” 暮らせるお家をつくるということになります。

で、この ”快適に” ってのがポイントでして、エアコン大国日本で暮らしているわたしたちなら容易に想像できると思いますが、足先キンキンに冷やされたオフィス、生暖かい暖房の風、冷暖房器具によって無理やり上げ下げされた空気って気持ち悪いですよね。
省エネルギー性能を高めるということは、快適な室温なのに、この冷暖房器具をほぼ使わなくても良いってことになります。

そのため、省エネって聞くと、なんとなくエコで我慢なイメージが先行してしまいますが、「なるべくエアコンを使わずに我慢して少しでも地球に優しく。。!」とかでは、全然なくて、

実は、”省エネルギーと快適はイコール” なのです!



[日本の省エネルギー住宅]

 そんな良いことづくめのパッシブハウス。国内ではまだ100件程度と、まだまだ普及していません。
それもそのはず、日本で住宅の省エネルギー化に関して本格的に動き出したのはここ最近なんです。
先ほど、ドイツの国の省エネルギー基準という言葉が出ましたが、ドイツには住宅の省エネルギー化に関する義務基準があります。その他の国も、先進国であれば義務基準があるのは一般的です。
でも、実は日本って、この義務基準無いんです!要は、日本ではどれだけエネルギー垂れ流しのお家作ってもオッケーなんです!

 しかし、世界的に環境問題が深刻化する中、さすがにそのままとはいかず、2020年から徐々に動き出し、2025年から日本初の省エネルギーの義務基準が新設予定。省エネルギーの住宅に対する補助事業も増えてきて、やっと、住宅の省エネルギー、高気密高断熱って言葉が世間にも広がってきたかなという感じです。

 そんな中、最近「ZEH」って言葉よく耳にしませんか?

ZEHとは「ネット ゼロ エネルギー ハウス」の略でして、省エネルギーの住宅を作る際に国から助成金を出すための判断基準なんかに使われる日本の認定基準です。日本では2030年までにこのZEHを国の最低義務基準にすることを計画しています。

ゼロ エネルギー ハウス。。。なんかすごそう!!
エネルギーがゼロなんてパッシブハウスより良さそう!
日本も省エネルギー化頑張ってるじゃん!
って、思っちゃいますよね。

でも、このZEHの適合条件をよく見ると、基準一次エネルギー消費量からの削減量(20%以上)+再生可能エネルギーの創エネルギー量の合計が、基準一次エネルギー消費量と比べて100%以上に上回っていることが条件です。

ん。。?なんかややこしい。ややこしいんです!

ここで出てくる基準一次エネルギー消費量というのは、すごく昔(平成28年)に日本が作った省エネ基準の断熱性能まで今計画してるお家の断熱性能を下げた場合に想定される年間のエネルギー消費量です。

要は、昔の仕様で家を建てた場合の想定のエネルギー消費量を、断熱性能UPで20%削減、80%は自家発電してるから、この家の消費エネルギーって正味ゼロだよねという。。なんともメタな感じの基準なのです。そのため、ZEHは家の消費エネルギーをゼロにする認定ではありません。

なんなら、多少断熱性能が悪くて消費エネルギーが多くても、太陽光パネルとかでいっぱいエネルギーをつくりられれば認定を受けることができます。

ですが、先ほどご説明した通り、”省エネルギーと快適はイコール” です。

いくらお家で使うエネルギーを自分たちでつくり出せても、お家自体が省エネルギーでないと、快適なお家にはならないのです。



[パッシブハウスの認定基準]

 で、パッシブハウスはどうなの?ってとこなんですが、確かに、パッシブハウスも家で消費するエネルギーはゼロにはなりません。
では、パッシブハウスの適合条件はなんなのでしょう??それは以下の通りです。

・冷暖房の年間需要 が各15kwh/m2以下

・年間一次エネルギー消費量が120kwh/m2以下 

・気密性能として50Paの加圧時の漏気回数0.6回以下

以上、この3つの条件が主な適合条件になります。

最後の気密性能に関してと、その他にも細々とした厳しい条件がありますが、それはまたいずれご説明するとして、

大まかにいうと、冷暖房の使うエネルギーを年間でこれ以下にしてね~、全体の消費エネルギーも年間でこれ以下にしてね~っていう、家が消費してしまうエネルギーが制限されているのです。
ZEHと比べたら大分わかりやすい!
しかも、冷暖房を年間で各15kwh/m2しか使わないなんて絶対快適!

ただ、これがめちゃくちゃ難しいんです。
というのも、この冷暖房の年間需要 が各15kwh/m2以下って、ただ断熱性能上げるだけじゃ全然届かないんですよ。ZEH認定基準ぎりぎりの断熱性能では到底無理で、Juuriで標準的に提案している断熱性能であれば近い数字まで持っていけるんですが、ここまで冷暖房の消費エネルギー落とすためには単に断熱性能だけではない ”なにか” が必要になります。

その ”なにか” がすごくおもしろい!

しかも、これからの家づくりには絶対に必要な考え方なんです!

次回以降、今、実際工事中のパッシブハウス認定申請予定の物件の写真や図面を交えながら、徐々に、その難しさやおもしろさについてご紹介できればと思います。

初回なので、やや小むずかしく、長くなってしまいましたが、どんどんライトにわかりやすくしていくので、次回以降もお楽しみに!

。。。つづく

Juuri Inc.
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